こんにちは。
突然ですが、先日、大きな失敗をしました。
私が担当するサプライヤーがいつの間にか品質不適合品を多く発生させていました。
担当バイヤーとしては、もっと品質面で関わり合いを持つべきでしたが、それを怠っていた結果でした。
購入品の品質に関しては品質部門の責任で対応すべきと思われがちですが、調達・購買部門も関わるべき大きな理由を紹介します。
調達・購買部門も部品の品質維持に関わるべき大きな一つの理由
バイヤーにはサプライヤーとの取引停止を決定する権利がある
バイヤーには「新規サプライヤーとの取引開始を決定する権利」がある一方で、「取引を停止する決定をする権利」もあります。
品質保証部門が、サプライヤーと購入部品の品質向上のための提案・交渉をしたとしても、その部品の製造に関わる専門家ではない為、「現場/もの作りを知らない人間が何を言ってくるか」と相手にされなかったり軽視されたりする事があります。
その様な時に「取引を停止する決定権」を持つバイヤーが品証部門と一緒にサプライヤーを訪問し、提案・交渉にあたる事でサプライヤー側に大きなプレッシャーをかける事が出来、問題解決に対して迅速な対応をしてもらえるようになります。
これは、サプライヤーに対する脅しではなく、交渉の一つのテクニックなのです。
品質に対する課題が改善される事になり、そのサプライヤーが他の顧客向けの部品に対しても同じ様な品質管理体制をもって対応すれば、そのサプライヤー全体の評価が上がる事となります。
その事により結果的に、サプライヤー全体の売り上げが上がる事になれば、自社とサプライヤーとの関係はより強固なものとなり、バイヤーとして部品調達のしやすさにも繋がります。
どの様に関われば良いのか?
品証部門の担当者と一緒に現場訪問をし、担当営業マン/経営陣と対峙する
何か品質的な問題が発生した時には、まず現場を訪問しましょう。
以前訪問した時との変化点を探す事が重要です。
・4M(Man:作業者/Machine:設備/Material:材料/Method:作り方)に変化が無いか?
・工場環境/5Sに変化が無いか?
・経営者の方針に変化が無いか?
など、現場には多くの情報が存在しています。
品証部門の担当者と脚繁く通って確認する事が重要です。
自社の品証部門の担当者には、サプライヤーの品質管理部門の担当者とやりとりをさせ、バイヤーは担当営業マンまたは、経営陣と対峙しプレッシャーを与えていきましょう。
経営陣を呼び出す
経営陣を自社に呼び出し、会社として自社との取引をどの様に考えているのか?という方向性を出させる様にする。
大抵の場合、品質的なトラブルに関しては担当営業の課長クラスで止まっている可能性があります。
取引き規模によって、サプライヤーの部長または社長を自社に呼び出して、直接クレームを出す事も重要になります。
過去に私が関わった国内サプライヤーの場合は、社長を呼び出して面談をしました。
社長を呼び出すという事が、サプライヤーの営業部門にとって激震が走ったようであり(当然)、その後の対応が非常に迅速なものとなりました。
最後の手段ですが、切り札として持っておいた方が良いかと考えます。
品質維持は品証部門だけの仕事ではない
なぜ、不具合が多発していた事を見逃したのか?
今回の原因は、私が担当するサプライヤーから購入している部品の不良率を監視できていなかった事にありました。
これまでは部品の不良が発生した時には、品証部門がサプライヤーに対してメールで連絡をし、そのメールのCCに自分が入っていたので把握できていましたが、いつのまにかCCから外れており、その期間に大量の不良が発生していたという状況でした。
つまり、品質に関しては品証部門に任せており、自分で定期的に情報を取りにいかなかった事に原因がありました。
「品証からの発信メールのCCにいつの間にか外れていたのであれば、品証部門に原因があるのではないか?」と思われるかもしれませんが、「品質問題は品証部門の担当」と割り切っていた事が、この状況を感知できなかった原因でもあります。
「部品品質は、品証部門だけの担当ではない」という意識を持ち、自分が購入している部品の品質は常に気にかけておく事が重要です。
改善策は?
調達部門は品証部門と密に連携する事が重要です。
それは、不良が発生した時に「この程度なら許してやってよ」という様な馴れ合いをするという事ではなく、不良が発生した時に、即座に連絡をもらい、一緒にサプライヤーに対して対峙できる関係という事です。
・定期的な、不良品発生情報の共有
・重大な不良品が発生した時に、即座に情報共有できるホットライン
品証部門は「調達・購買部門がヘボいサプライヤーから部品の購入を開始したせいで、我々が非常に苦労をしている」と思っているかもしれません。
頻繁に品証部門のエリアに行って、自分が担当するサプライヤーの部品品質に関して話をするだけで、良い関係を築く事ができるかと思います。
まとめ
バイヤーとして、購入しているモノの品質は常に確認しておきましょう。
それでは。
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