新型コロナウイルス拡大による調達への影響と現場の声【調達・購買】

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海外調達リスク

新型コロナウイルスの感染が拡大し、2020年3月10日現在、製造業の調達・購買現場がどの様な状況になっているのか、海外調達を行なっている現役バイヤーが現場の状況をお伝えします

これが生の声です。

新型コロナウイルス拡大による調達現場の生の声

中国の状況

春節前後の中国はまさに停止した状態でした。

中国にいる友人は「中国全体が停止した様だ」と表現していたが、まさにビジネス環境も停止した。

春節が延長され、春節が終わってからも上海でも工場再開まで早くて12週間かかっている。
新型コロナウイルスが集中した武漢近郊ではまだ工場が再開していないところもあり、稼働率で5080%程度の会社が殆どである状況。

例えば、上海であれば、上海市外から入ってくる人は、自宅で2週間待機を義務付けられている
その為、簡単に上海から出入りできない状況。

上海にある工場で働く従業員の大抵は上海郊外からやってくるケースが多い。
その為、春節が開けても、従業員が工場に入れるまで時間を要したという状況だった。

今、工場が再開されているが、停止期間中の生産を足りないマンパワーで対応している状況にある。

春節開け直後は、日本からの入国者はすぐに工場に入れたが、現場は数日間の自宅待機を強制されている。

今の中国で一番のボトルネックは物流

今の中国で一番のボトルネックは物流

海外からの支援物資が大量に届いている事もあり、トラックの数が足りない。

また、工場停止期間中の生産物を大量に出荷している事もあり、物流が追いついていない状況。

中国からの輸出に関しては、まだマシではあるが、中国での輸入に関しては、通関が終わってもトラックの搬送待ちという状況が続いており、港で待ちぼうけになるケースがある

韓国の状況:現場は未だ深刻に捉えていない

韓国は意外と中国ほど状況にはなっていない雰囲気がある。

全国民あたりの発生率で言えば中国を超えているはずなのだが、まだ、韓国人の同僚の様子を見ていると、それほど深刻には捉えていない感覚を受ける。

物流もまだ大丈夫であり、どちらかと言うと、中国からの調達している部品が滞っているために生産が遅れているという状況になっている。

日本の製造業への影響

日本の製造業は、中国からは鋳物や基板などの電子部品を多く購入している。

それらの部品を多く扱う国内メーカーにとっては、大きな痛手になる。

日本の製造業ではJIT(Just in time)という文化が根を張っている。

海外調達品に関しては、ある程度の在庫を持って運用しているのだろうが、在庫=悪という意識が強いがために在庫量をいかに抑えるかという点に力を入れている企業が多いのではないだろうか。

そのため、今回の中国メーカーの生産停止、物流の遅れによる部品調達の遅れは、日本の製造業に大きな影響を与えている

日本のメーカーでも中国に工場を構えている企業も多い。

それらのメーカーでは、中国工場を如何に再開させるのか、という点が大きな焦点になっているかと思う。

ポイントは、、、

共産党員の存在

共産党員の存在は非常に強い。

工場再開の際の申請の優先順位が高くなったりと、優遇される。

その他にも。色々と優遇される点があるので、この様な状況の時は非常に心強い。

これからの予測

これから暖かくなるにつれて新型コロナウイルスは収まっていくだろうというのが大方の予測であるが、私個人としてはそうは思わない。

現在すでに、東南アジア圏または南半球の諸国においても感染が拡大している。

そのため、暖かくなっても収まらないのではないかと推測する。

インフルエンザとの大きな違いは、一度感染して治っても、再度感染する事があるという事だ。

特効薬が開発されるまでは、この状況はしばらく続くのではないかというのが私個人の推測であり、外れて欲しい推測でもある。

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